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認知症のおじいちゃんの記憶〖絵本〗おじいちゃん、おぼえてる?



おじいちゃん、おぼえてる?表紙
おじいちゃん、おぼえてる?
作:フィル・カミングス 
絵:オーウェン・スワン 
訳:福本友美子 
出版社: 光村教育図書


おじいちゃん、おぼえてる?1

『おじいちゃん、おぼえてる?』あらすじ


お父さんと一緒に、おじいちゃんのいる施設にやってきたジョージ―。
「今日はおじいちゃん、私のことわかるかな?」とジョージーはお父さんに聞きました。
お父さんはジョージーの手をぎゅっと握り、「まあ、行ってみようね」と言いました。

長い廊下を歩き、角をひとつ、またひとつ曲がると、あったのは空色のドア。
太陽が差し込む明るい部屋に、おじいちゃんが座っていました。
「おじいちゃん、こんにちは!」とジョージー。
「はい、こんにちは」と、おじいちゃんが読んでいた新聞から顔を上げて言いました。

「おじいちゃん、ジョージーよ、覚えてる?」
するとおじいちゃんは立ち上がって写真を手に取り、「弟は覚えてるよ」と言いました。
「2人でおたまじゃくしを缶に入れたんだ。夏の夕立は埃っぽい味がしたな」とおじいちゃんが言うので、「夏の雨っていいよね」とジョージーは言いました。

ジョージーはもう一度おじいちゃんに自分のことを聞いてみました。
「お母さんは覚えてるよ。焼いたパンにハチミツを塗ったら、指がべとべとになったなぁ」とおじいちゃんが言ったので、「焼きたてパンにハチミツ、おいしいよね」と、ジョージーは言いました。

「ねえおじいちゃん、私のこと覚えてる?」
すると今度は、「ジャングルの雨はひどかったなぁ。
風がごうごう吹きまくって…ああ、怖かった」とおじいちゃんが言ったので、「おじいちゃん、もう怖くないよ」と、ジョージーはおじいちゃんに抱きつきました。

ジョージーは自分の写真をおじいちゃんに見せました。
「ほら見て!これ、私よ。新聞帽子、おじいちゃんが作ってくれたの覚えてる?」
写真には、おじいちゃんが新聞で作ってくれた帽子をかぶったジョージーと、お父さん、おじいちゃんが写っています。
「ああ、よく作ったな」とおじいちゃん。
「そうだね」とお父さん。

ジョージーは、みんなで新聞帽子を作ろうと言いました。
3人で折って、押さえて、折って、新聞帽子がたくさんできました。
みんなで表に出て、おじいちゃんの友達に配ると、メアリーさんが歌い出し、ブルーノさんが手を叩き、カールトンさんの赤ちゃんが笑いました。

そのとき突然風が吹いて、おじいちゃんのかぶっていた新聞帽子がふわっと飛んでいきました。
「待て!」とジョージーが追いかけたのですが、新聞帽子はそのまま飛んでいってしまいました。
ジョージーはおじいちゃんに寄り添いながら、「大丈夫だよ、また新しいの作ろうね」と言いました。
するとおじいちゃんは答えました。
「ああ、作り方、ちゃんと覚えてるよ」

おじいちゃん、おぼえてる?2

『おじいちゃん、おぼえてる?』感想


おじいちゃんに思い出してもらいたいジョージーと、昔のことは覚えてるのにジョージーのことはわからないおじいちゃんとのかみ合わないやり取りが切なかったです。
明らかに目線は合ってるのに、どこか虚ろなおじいちゃんの目とおじいちゃんを見つめるジョージーの優しい目はやはり違くて寂しさを感じてしまいます。
それでもおじいちゃんおじいちゃんって駆け寄るジョージーは優しい子だなぁ。家族なんだからきっと思い出してくれるって信じてるんだね。だからおじいちゃんの的外れな答えにもいちいち共感してあげておじいちゃんを刺激しないであげるところが本当に健気だと思います。おじいちゃんとジョージーの間に介入しないお父さんからも優しさを感じました。
「認知症」を知らない子供は、おじいちゃんがどうして思い出さないのか理解できなかった様子。でもこういう将来もないとは言えないから、家族がこうなってしまうこともあるんだよってことをちょっとは想像できたかな?優しい色合いも、心にすっと染みるような絵本でした。

おじいちゃん、おぼえてる?3

新聞帽子なら、覚えてる?


この絵本は、作者が認知症の家族を施設に訪ねた際に、偶然見かけた父と娘の会話から着想を得たそうで、新聞帽子は作者自身の祖父との思い出をもとにしているそうです。
本文にはおじいちゃんが認知症であるということははっきり書かれておらず、かみ合わないやり取りでだんだんと読者にわからせるように描かれています。高いビルのように積み上げられた新聞や思い出の写真を眺めながら、おじいちゃんはゆっくりと過ごしています。
写真を見て思い出すのは、おじいちゃんの若かりし頃。ジョージーと一緒に写る写真を見ても、孫のことは思い出せません。それでもジョージーは温かく接し、おじいちゃんが昔よく作ってくれた新聞帽子を作ろうと提案するのです。
寂しげなおじいちゃんですが、孫が来てなんだか嬉しそうにも見えます。おじいちゃんが大好きな新聞でたくさんの新聞帽子を作ってお友達に配り、みんなが楽しそうにしているところはとっても嬉しくなりました。
この絵本には新聞がよく出てきますが、新聞の絵は図書館に保存されたマイクロフィルムの画像を鉛筆で丹念にトレースしたものと知って、それも驚きでした。見開きには英字新聞があり、いろんな時代のニュースが出ています。

ページ数:32ページ
読み聞かせ時間:4分



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