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草原の海を行く、少女の冒険〖絵本〗くさはら



くさはら表紙
くさはら
作:加藤幸子 
絵:酒井駒子 
出版社: 福音館書店


くさはら1

『くさはら』あらすじ


お母さんとお父さんとお兄ちゃんと一緒に、川に遊びにきたゆーちゃん。
先に川に入ったお父さんに、「ゆーちゃんもおいでよ」と呼ばれました。

どうしようかなぁ、とゆーちゃんが思っていると、綺麗な蝶々が足元の石の上に止まりました。
ゆーちゃんが手を伸ばすと、蝶々はスィーと草原の方へ飛んでいきます。

蝶々を追いかけて草を押し分けながらゆーちゃんも草原の方へと進んでいきました。
待て待てちょうちょ。
長い葉っぱ、丸い葉っぱ、ギザギザの葉っぱが、ゆーちゃんの足をくすぐります。
風が音を立てて吹いていくと、草は波のように揺れ、ゆーちゃんのお腹も肩も、草原の海に沈んでしまいました。
草の上に出ているのは、帽子と顔だけ。

そのうち背の高い草にゆーちゃんは取り囲まれ、蝶々は見えなくなりました。
バッタがビョーンと飛んできて腕に止まり、「逃げないでね」って言ったのにまたビョーンと飛んでいってしまいました。

葉っぱがピシッとゆーちゃんのほっぺを打って、泣きたくなったゆーちゃんは目をつぶりました。
すると急に、今まで聞こえなかった音が一時に聞こえてきます。
ザワザワ、カサコソ、ジージー、ピッピッ、キリリ、コロロ。
遠くで川も、シャラシャラ…。

ここって、どこなんだろう。

そのとき、「ゆーちゃん、何してるの?」と声がして目を開けると、お母さんが笑って立っていました。
お母さん、どうしてここがわかったの?
1人で歩いてきた草原を、今度はお母さんと一緒に歩いていきました。

くさはら2


『くさはら』感想


川に遊びに来た家族からはぐれて、女の子が草原の中を歩くだけなのに、酒井駒子さんのイラストが素敵すぎて癒されました。女の子は全身白っぽい服装なのも涼し気で、夏の絵本とかお散歩の絵本とかたくさんあるけれど、この絵本のヒーリング感はすごいです。
見ているだけで草の匂いが香り立つかのような、目を閉じると車の音などを一切排除した自然の音だけが聞こえる、そんな情景を思い浮かべて1人でひっそりと読みたい絵本です。
女の子ならびっくりしてキャーって喚きそうだけど、女の子の腕に飛んできたバッタに「逃げないでね」と見つめる健気さにキュンとしました。
女の子の背丈をすっぽり隠したかのような草原の中を迷子にならずに済んだのは、お母さんがちゃんと娘の行方を追っていたからなんですね。川で元気に遊ぶお父さんとお兄ちゃん、蝶々を追いかけて草原をぐんぐん進む好奇心旺盛な女の子とちゃんと見守っているお母さん、こんな家族も理想的なのです。

くさはら3

よみがえる子供の頃の記憶


女の子はちょうちょを追いかけて、草原の海へと足を踏み入れました…。
草を押し分けながら進んでいくと、すっとする歯みがきみたいな匂い。草が寄ってたかって靴を抑え、女の子は転びそうになりながらもぐんぐん進んでいきます。いろんな葉っぱが足をこちょこちょ。風が吹くと海の波のように揺れる草。
そのうち草からは見下ろされ、ピシッと葉っぱが頬を打ち、目を閉じてみると、草の擦れる音、風がそよぐ音、虫や鳥の声、川のせせらぎ…、急に違う世界に来たような気がして、女の子は思います。
「ここって、どこなんだろう…」
女の子はずいぶん家族から離れてしまったのですね。後ろから静かに追ってきていたお母さんにびっくりする女の子の仕草と表情は、この年の子ならではの無邪気な行動からハッと我に返った瞬間でしょうか。自然のままの無邪気な女の子と、同じく無心な草木に癒される絵本です。草の海に足を踏み入れるだけでも、この年頃の子には冒険なんだと思います。でも大丈夫、お母さんがちゃんと見てますよ。
幼児絵本「ふしぎなたね」シリーズ、3才~5才向きとありますが、大人が昔を思い出してホッと懐かしむことができる美しい絵本です。

ページ数:24ページ
読み聞かせ時間:3分



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