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雪の中迷い込んだ不思議な洋館〖絵本〗もりのおくのおちゃかいへ



もりのおくのおちゃかいへ表紙
もりのおくのおちゃかいへ
作・絵:みやこしあきこ 
出版社: 偕成社


もりのおくのおちゃかいへ1

『もりのおくのおちゃかいへ』あらすじ


朝、キッコちゃんが目を覚ますと、雪は止んでいました。
お父さんは、おばあちゃんの家に雪かきをしに出かけました。
ところがお父さんは、おばあちゃんの家に持っていくはずのケーキの箱を忘れていってしまいました。
「今なら追いつけるよ。私が届けに行く!」とキッコちゃん。
おばあちゃんの家は森の向こうです。
キッコちゃんは、しんと静まり返った雪の森をお父さんの足跡をたどって歩いていきました。

しばらく行くと、向こうに黒いコートの後ろ姿が見えました。
お父さん目がけて走り出した拍子に、キッコちゃんは転んでしまいました。
見ると、ケーキの箱がつぶれています。
泣きたくなりましたが、お父さんがどんどん先に行ってしまうので、キッコちゃんは箱を抱えると立ち上がって追いかけました。
すると、先を行くお父さんが、見知らぬ家に入っていきました。

こんなところに家があったかしら?と不思議に思って、家の中を覗いてみると―。
家の中で帽子を取ったのは、お父さんではなく、くまです!
そのとき、「あなたもお茶会に来たのね」と声をかけられ振り返ると、羊の子が立っています。
羊の子はキッコちゃんの手を取ると、家の中に連れていきました。

家の中にはたくさんの動物たちが集まっていました。
キッコちゃんが部屋に入った途端、音楽がピタリと止み、みんなが一斉にこちらを見つめます。
キッコちゃんは思い切って「こ、こんにちは」と挨拶しました。
するとみんなは「いらっしゃい!」と一斉に立ち上がり、キッコちゃんを歓迎してくれました。
これからお茶会が始まるのです。
みんなが席につくと、鹿の夫人がみんなにキッコちゃんを紹介しました。
名前を聞かれたキッコちゃんは、ドキドキしながら自己紹介をしました。
動物たちから拍手が沸き起こります。
動物たちはみんな新しいお客さんと話したくて、みんな口々に話しかけてきます。
「1人でおばあちゃんの家にケーキを届けるなんてえらいね」とほめられて、キッコちゃんも得意顔です。
ところが、「これがおばあちゃんに届けるケーキの箱?」とうさぎに言われると、つぶれてしまったケーキの箱を見て、キッコちゃんは悲しくなりました。
そのとき、顔を見合わせた動物たちが「ケーキならここにいっぱいあるよ!」と言って、自分たちのケーキを新しい箱に詰めて、リボンまでかけてくれたのです。
キッコちゃんは嬉しくなって、早くおばあちゃんの家にケーキを届けたくなりました。
「私、届けてくる!」とキッコちゃんが言うと、動物たちも「行こう、行こう、一緒に行こう!」と言いました。

静かな森を賑やかな大行列が進みます。
動物たちは鼻をクンクンさせてお父さんの匂いを嗅ぎ分け、キッコちゃんをお父さんの元へ案内しました。
とうとうおばあちゃんの家を見つけると、キッコちゃんは大きな声で叫びました。
「おばあちゃん、お父さん、ケーキ持ってきたよ!」

玄関に出てきたおばあちゃんが「1人で来たのね!」と、キッコちゃんをほめてくれました。
「え?」
振り向くと、一緒に来たはずの動物たちの姿はありませんでした。
キッコちゃんは心の中で、ありがとうと言いました。

もりのおくのおちゃかいへ2

『もりのおくのおちゃかいへ』感想


前回の『のはらのおへや』とセットで借りてきたこの絵本。やはりモノクロでしたがまた違った雰囲気でした。
カラーだったらそうでもないんですが、モノクロだからこその怖さというものを感じます。動物たちの見開いた目が怖い。
でも、怖さがずっと続くわけじゃなくて、ケーキの鮮やかさには一瞬にして緊張感が緩みました。
キッコちゃんが金髪なのも、モノクロの絵の中にパッと光が射すようでいいアクセントになっています。動物たちの表情は怖いけど、言動には優しさや陽気さも感じました。
最後に裏表紙の折り返し部分にあるイノシシさん?に目がいき、更に裏表紙へと目をやると、そのまま表紙まで繋がっている一枚の絵になっています。この絵はお茶会の前でしょうか、後でしょうか?動物たちが隠れながらついてきているように思えるけど…。ケーキの箱のリボンの色にも注目です。お茶会の前だとすると、じゃあどこで動物たちは先回りしたんだろう?この不思議さが好きです。

もりのおくのおちゃかいへ3

印象的な動物たちの眼


雪の中、お父さんを追いかけて行ったら不思議な場所に辿り着いた…。そこは動物たちの不思議なお茶会会場。
おばあちゃん家のおつかいの途中落としてしまったケーキの代わりに、動物たちは自分たちのケーキを差し出します。でも、それを持ってみんなでおばあちゃん家に行ったら…。
みやこしあきこさんの、限られた色使いがとても魅力的です。モノクロは雪の中なので自然でもあり、また独特でもあり、人間と動物が並ぶようすが奇妙で、その世界観が素晴らしいと思いました。
特に動物だらけの部屋に通されたときの、みんなが一斉にこちらを見つめるシーンはキッコちゃん目線であるからこそ、ぞっとするほど不気味です。色が使われていないのも唯一そこだけ。怖いのに目が離せない、一番印象に残るページでした。
そのあとは和やかにお話は進むのですが、6ページ後にまたウサギがこちらを見つめてきます。やっぱり何となく怖いです。そこからページをめくるといかにも美味しそうなケーキ!この緊張と緩和が絶妙でした。
最後は喪失感のなかに残る現実…。次はいつお茶会が開かれるのかな?キッコちゃんはまたお茶会に行けるのかな?そんな余韻が素敵で儚く、1人でじっくり何度も読みたいお気に入りの絵本となりました。

ページ数:32ページ
読み聞かせ時間:6分



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