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冒険と旅立ちの物語〖絵本〗おじいちゃんのゆめのしま



おじいちゃんのゆめのしま表紙
おじいちゃんのゆめのしま
作・絵:ベンジー・デイヴィス 
訳:小川仁央 
出版社: 評論社


おじいちゃんのゆめのしま1

『おじいちゃんのゆめのしま』あらすじ


シドの家の庭の奥の門を通って木々をぬけると、おじいちゃんの家があります。
シドがいつでも行けるように、おじいちゃん家の鍵は植木鉢の下に置いてあります。

ある日シドがおじいちゃん家に行くと、おじいちゃんはどこにもいませんでした。
ところがシドが帰ろうとしたとき、屋根裏からおじいちゃんが降りてきました。
シドはおじいちゃんに案内されて、初めて屋根裏部屋にあがりました。
そこにはおじいちゃんが世界中から集めた骨董品であふれています。
シドはシーツで覆われた壁を見つけました。
シーツを取り払うと、そこに大きなドアが現れたのです。
「先にお行き、シド」
おじいちゃんに言われて、シドは重いドアを押し開けると―。

シドはとてつもなく背の高い船のデッキに立っていました。
下に見えるたくさんの屋根が海のように広がっています。
おじいちゃんがハンドルを引いて汽笛を鳴らし、「出発進行!」と言いました。
おじいちゃんの上手な運転で船はなめらかに進んでいきます。
すると水平線の向こうに島が見えました。

島に到着すると、そこはジャングル。
シドはおじいちゃんに杖がいるのではと心配しましたが、おじいちゃんは要らないと言います。
2人は住まいを見つけようと、うっそうとしたジャングルの中を歩いていきました。
島のてっぺんに爽やかな風が吹く場所がありました。
そこに古い丸太小屋があったので、2人は住み心地を良くするために小屋を改装しました。
そして島の中を隅々まで探検しました。

この島はシドがずっと暮らしたいと思うほど、最高に素晴らしい島でした。
でもシドは、もうすぐ帰らなくてはいけないとわかっていました。
すると、おじいちゃんが言いました。
「シド、言っておきたいことがある。私はここに残ろうと思うんだ」
「ええっ、寂しくないの?」とシドは言いましたが、「寂しくないさ」とおじいちゃんは言います。
おじいちゃんの周りには、家から持ってきたおじいちゃんのお気に入りのものがあるし、この島で出会った動物や鳥たちに囲まれていました。
シドはお別れにおじいちゃんを抱きしめました。
すると、おじいちゃんと別れるのが悲しくてたまらない気持ちになりました。

シドが船に乗るときには島のみんながお別れに来てくれました。
シドはハンドルを握ると、波をけたてかき分けて、船はぐんぐん進みます。
おじいちゃんがいない航海は行きよりずっと長く感じました。
それでもシドは船を家まで導いたのです。

翌朝、シドがおじいちゃん家に行ってみると、おじいちゃんはもういませんでした。
屋根裏部屋は静まり返り、大きなドアはありませんでした。
そのとき、窓をコツコツ叩く音がしました。
シドは窓枠に封筒がはさんであるのを見つけました。
『シドへ』と書かれた封筒をそっと手に取って、開けてみると―。
島で撮られた楽しそうなおじいちゃんの写真がはさんであったのです。

おじいちゃんのゆめのしま2

『おじいちゃんのゆめのしま』感想


『あのひのクジラ』を読んでから、ベンジー・デイヴィスさんのイラストが大好きです。お話も『あのひのクジラ』同様、優しくて切ないんですよ。
おじいちゃんはもう亡くなっているのかなと思ってしまいます。杖が必要なおじいちゃんが要らないって言ったとき、ドキッとしました。
おじいちゃんとのお別れは悲しいけれど、おじいちゃんはきっとどこかで楽しくやっているのだろうと思わせてくれる。それはドアで繋がっているけれど、決して近くはなくて…っていう距離感も、最高に楽しいところなんだって実証済みなところも、大好きな人がいない悲しみを乗り越える力になってくれそう。
切ない気持ちで読み終わる絵本だけど、大切な人を失ったときに読むとすごく温かさをもらえる絵本だと思いました。おじいちゃんが選んだ場所が南国っていうのもなんだかあったかくて、いいなぁ!と思わせてくれます。

おじいちゃんのゆめのしま3

夢か現実か


いろんな解釈ができる絵本だと思います。大人が読むと、おじいちゃんは天国へ?って思うけれど、子供はそこまで深読みはしないようです。最後に手紙も届きますしね。
おじいちゃんの屋根裏部屋には秘密のドアがあって、そこから夢のような世界が広がっている、そんなワクワクドキドキの冒険のお話。おじいちゃんとの別れがあるけれど、悲しみを乗り越え1人で大海原を航海する少年の成長も見られます。
絵が素晴らしく、タイトルページをめくった後の見開きひと繋がりの、おじいちゃんの家へとつながる庭の絵からうっとりします。きれいな海の色、色とりどりのジャングル、逆光に照らされた2人の姿、どれも見とれてしまうものばかりです。
いつもおじいちゃんのそばにいるオランウータンは、おじいちゃんの屋根裏部屋にぬいぐるみとしてあったものでした。おじいちゃんの家にあったキャンバスに描かれていたのは船、植木鉢の葉はジャングルを思い出させます。おじいちゃんの好きなことが現実になったんですね。オランウータン、カメ、蓄音機…。おじいちゃんがいなくなった後の屋根裏部屋にそれらはありません。ここに、祖父や祖母が亡くなったときあれもこれも棺に入れようとしたことを思い出しました。ワクワクするような冒険の旅から一転、急に切なさが押し寄せてきました。
大人と子供では感じ方が違うかもしれませんが、こうであるという答えはなく、温かさの残るお話となっています。素敵な絵本です!

ページ数:32ページ
読み聞かせ時間:5分



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