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元気をくれるお母さんの音色〖絵本〗ハルのふえ



ハルのふえ表紙
ハルのふえ
作・絵:やなせたかし 
出版社: 小学館


ハルのふえ1

『ハルのふえ』あらすじ


森に住むたぬきのハルは、人間に化けるのが上手でした。
そして、草笛を吹く名人でもありました。
森の動物たちは「ハルのふえ」が大好きでした。

ある日、草笛を吹きながら歩いていたハルは、森の入り口で今にも死んでしまいそうな人間の赤ちゃんを拾いました。
「今日から私があなたのお母さんになってあげる」
ハルは葉っぱを頭に乗せくるりと宙返りをすると、どこから見ても本物の人間のお母さんの姿になりました。
赤ちゃんはパルと名付けられ、たぬきみるく・たぬきパン・たぬきうどん・たぬきそばなどの美味しいものをたくさん食べてすくすくと大きくなりました。
ハルはパルに毎日草笛を教えました。
パルはハルに負けないほど上手になって、今では森の人気者です。

ある日パルが1人で草笛を吹いていると、それを見ていた旅人がカバンの中からクラリネットを取り出して、パルの草笛に合わせて吹き始めました。
パルはびっくりしましたが、旅人がとても上手なので楽しくなってそのまま吹き続けました。
夢のような森の音楽会に、パルは嬉しくてほほが桜色になりました。
演奏の後、旅人はパルの家を訪ねてハルに会いました。
チョコパンと名乗るその旅人は音楽家で、パルを立派な音楽家に育てるために預からせてほしいというのです。
パルはハルと別れるのが嫌でした。
けれどもハルはパルを旅立たせることにしました。
別れるのは死ぬほどつらいけど、パルは人間の世界に帰した方がいいとハルは思いました。
そしてパルが辛くなったときにはいつでも迎えてあげられるように、ずっとこのまま人間の姿でいようと決心しました。
「さよならパル。お母さんは待っていますよ」

いくつか年が過ぎました。
チョコパンは「パルには一番フルートが向いている」と言って、パルはフルートの勉強をしました。
寂しくなったときには、大好きなハルのことを想いながら草笛を吹くと不思議に元気になれるのでした。

パルのフルートはめきめきと上達しました。
パルが演奏会を開くと、人間だけでなく鳥や動物も集まってくるほどです。
パルがフルートの天才として有名になったとき、森にいるお母さんを呼んで一緒に暮らそうと、ハルは旅に出ました。

久しぶりに会ったハルは、昔より一回り小さく感じました。
立派になったパルを見て、ハルも喜びましたが、パルが「一緒に街に出よう」と言ったとき、ハルは首を横に振りました。
ハルはパルに打ち明けます。
今までずっと秘密にしてきたけど、実はたぬきなんだと…。
そして本当の姿を見せようと、頭の上に葉っぱを乗せてくるりと宙返りをしました。
でもハルはたぬきには戻れなかったのです。
それはあんまり長い間人間に化けていたせいでした。
「お母さんは冗談と宙返りがうまいなぁ」と、パルはハルを抱きしめました。

いつの間にか辺りは春。
森は一面の花盛りです。
2人は涙をこぼして笑いました。
懐かしいハルの優しい草笛に、パルは寄り添うようにフルートを奏でました。
ぴったりと息の合った2人の笛は、木の葉をふるわせて春の森に広がっていきました。

ハルのふえ2

『ハルのふえ』感想


アンパンマンで有名な、やなせたかしさんの絵本。『やさしいライオン』でもそうだったけれど、種族は違えど親の愛情はとても温かいものですね。
ところどころ、赤ちゃんが赤ちゃんマンに見えたりもして、どこかにアンパンマンの面影を探してしまいました。
ハルは元々はたぬきなので、長い月日が経っても見た目に変化はないけれど、パルが大人になったとき見違えるほど変わっていて、やっぱりパルは人間なんだなぁ、旅立たせて良かったなぁなんて親目線で読みました。
ハルが招待を明かしたらどうなるの?って思ったけど意外なハッピーエンド。ハルはパルの本当のお母さんになれたんですね。ハルがそう望んでいたからでしょう。とっても素敵な結末に優しい気持ちになりました。

ハルのふえ3

さすがアンパンマンを作った人だ!


たぬきが人間を拾い自分の子として育て、やがて子供が大きくなったときその将来を想い手放すことになりました。子供も親を想い続け、立派に成長したとき親の元を訪れ一緒に暮らそうと迎えに来ます。たぬきのお母さんは今までずっと隠し続けてきた自分の正体を明かす時がくるのです。
やなせたかしさんは、「お母さんは冗談と宙返りがうまいなぁ」というパルの言葉がお気に入りだと、あとがきに書いてありました。いかにも、自分のお母さんはずっと自分のお母さんなんだと信じて疑わないパルの心からの気持ちが出ているこのセリフは、どれだけハルがパルのことを愛して育てていたか読み取れますよね。ハルがたぬきに戻れなかったのも、その深い深い愛情が現実さえも変えてしまったのだと思います。
そして、このたぬきのお母さんはやなせたかしさんのおばあさまがモデルであるそうです。そしてこのお話は二度改作してやっと完成したというのですから、この絵本にかける情熱やこだわりがうかがえます。
『ハルのふえ』というタイトルに、パルのフルートのタイトル画。ここにも色んな思いが込められているように感じます。親子の絆と奇跡の物語。ちなみにアニメーションでも出ているようなので、ハルの草笛とパルのフルートの素敵な音色が聴けるかもしれませんよ。

ページ数:23ページ
読み聞かせ時間:7分





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