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現実を受け入れて再スタート〖絵本〗わたしのおひっこし



わたしのおひっこし表紙
わたしのおひっこし
作:イヴ・バンティング
絵:ローレン・カスティーヨ
訳:さくまゆみこ
出版社: 光村教育図書


わたしのおひっこし1

『わたしのおひっこし』あらすじ


コーリーの家の庭に、これまで使っていたものがほとんど全部並んでいます。
それらは“お引っ越しセール”として売られているのです。

コーリーが家族で今度住むアパートを見に行ったときのこと、パパは壁にしまえるベッドを見せて「便利だろう?」と言いました。
ママも、「小さいけど素敵でしょ?」と言いました。
けれどもコーリーは、そこが自分の家だとは全然思えませんでした。

“お引っ越しセール”では、大勢の人が品物を見たり、値段はもう付けてあるのに値段を聞いたりしています。
10ドルの値段が付いたコーリーのベッドを買おうとしている人がいました。
でもクレヨンの線がついているからと、5ドルでどうかと聞いています。
ママはため息をついて、「わかりました」と言いました。
あの線は『おやすみなさい おつきさま』の絵本を何度読んだかの印です。
そのせいで値段が下がったことに、コーリーは後悔しました。

男の人がコーリーの自転車をトラックに詰め込んでいるのが見えたので、コーリーは急いで駆け寄って補助輪をつかみました。
「これはだめ。私のだもん」
男の人はもう自転車を買った後でしたが、コーリーを見て自転車を下ろしました。
パパがとんできて言います。
アパートには自転車を置く場所もないし、道路の環境も今とは違うのだと。
パパの目は涙で濡れているように見えました。
男の人は、コーリーがまたここに住むことになったら自転車を返してくれると言ってくれました。

お友達のセーラが来て、「どうして引っ越すの?」と聞きました。
コーリーはよく知らないけど、お金のことだとパパから聞いていました。
セーラが「私の家族になれるよう頼んであげる」とか、「代わりに弟をあげてもいい」とか言ってくれても、コーリーはやっぱりママとパパと一緒がいいと思いました。

セール品はほとんど買われていきました。
残ったものはさらに値段を下げられます。
パパがママの背中をさすっています。
2人ともぐったりしているように見えました。
馴染みのものが消えてしまって、何だか寂しい気持ちです。

コーリーが椅子に座っていると、「かわいいお嬢ちゃん、あなたも売り物なのかしら?」とおばさんに声をかけられました。
びっくりしたコーリーは泣きながらパパのところに走っていって、「私は売り物じゃないよね?」と聞きました。
「いくらお金を積まれても、何があっても、絶対に絶対にコーリーは売らないよ」
パパはそう言って、ママとパパとコーリーはぎゅっと抱き合いました。

パパは最後に残ったものの値段を全部タダにしました。
すっかり物がなくなって、コーリーたちはほとんど空っぽになった家の中に入りました。
でも大丈夫。なくなったものはいらないものだし、今度のアパートには入らないのです。
それに、コーリーたち3人は、今度のアパートにちゃんと入ります。

これから家族でお引っ越しです。
コーリーは、壁にしまえるベッドが楽しそうだと思えました。
「きっと楽しいわよ」と、ママがにっこりしました。

わたしのおひっこし2

『わたしのおひっこし』感想


大きな家から小さな家に引っ越すことになったコーリーたち。お金の事情で今あるものをほとんど手放さなければいけない。これは切ないです。
コーリーも辛いけど、パパもママも辛いだろうなぁ。けれども仕方がない。アパートで明るく振る舞っていたパパとママだったけど、大変なセールの仕事を終えてママの背中をさするパパとママの後ろ姿に2人の思いが一気に伝わってきて切なくなりました。
引っ越しって、寂しさ半分、新しい生活への楽しみも半分だと思うけれど、このお話はそれとは全然違う、寂しさが9割のような…。他1割が壁にしまえるベッド!それくらいしかないのがもう…。でも、家族で一緒に暮らせることが幸せなんだと気付いたラストがいいです。新しく住むアパート、新しい生活はほとんど見せてくれないけど、案外住めば都かも。寂しさと幸せの割合がひっくり返ってくれるだろうと信じています。

わたしのおひっこし3

家族の愛情はなくならない


引っ越しの理由は家庭によって色々です。コーリーの家族はそれがお金の事情とあり、詳しくは語られていません。ですが、家のものをほとんど売りに出したとあれば、相当な事情があるのだろうと思います。
コーリーには何もできるはずもなく、庭に広げられた馴染みのものが売られていくのをただ眺めることしかできず、その心情を思うと心が痛みます。
子供ながら、その現状を少しずつ受け入れていく様、悲しみの中にちょっとした楽しみを見いだして、何より家族が一緒にいれば大丈夫だと前を向く姿に心打たれました。
大きなお家が描かれた表紙、引っ越しのワクワク感を感じて手に取ると、現実的で重い内容にびっくりします。ですが家族の立ち直りのお話として、切なくも優しいラストにほっとして、本当に大切なものは何か、ということに気付かせてもらいました。

ページ数:32ページ
読み聞かせ時間:7分

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