怪獣なんて怖くないぞ!空想世界の中にも母あり〖絵本〗かいじゅうたちのいるところ



かいじゅうたちのいるところ表紙
かいじゅうたちのいるところ
作・絵:モーリス・センダック
訳:じんぐうてるお
出版社: 冨山房


かいじゅうたちのいるところ1

『かいじゅうたちのいるところ』あらすじ


ある晩マックスは、オオカミの着ぐるみを着るといたずらを始めて大暴れ。
そんなマックスにお母さんは「この怪獣!」と怒りましたが、マックスも負けずに「お前を食べちゃうぞ!」と言ったものだから、とうとうマックスは夕ご飯抜きで寝室に放り込まれてしまいました。

すると、にょきりにょきりと木が生え出して、寝室の天井も壁もどんどん消えて、辺りはすっかり森や野原になりました。
そこへざぶりざぶりと波が打ち寄せ、マックスの船が運ばれてくると、マックスは船に乗り、夜も昼も航海しました。

何日も何週間も日が経って、1年と1日航海すると、そこは怪獣たちのいるところ。
マックスが陸地に船を付けると、怪獣たちはすごい声でうぉーっと吠えて、すごい歯をガチガチ鳴らして、すごい目玉をギョロギョロさせて、すごい爪をむき出しました。

マックスは腹を立て、「静かにしろ!」と怒鳴りつけると、怪獣ならしの魔法を使います。
マックスは目をかっと開いて、怪獣たちの黄色い目をじーっと睨みました。
すると怪獣たちは、「こんな怪獣見たことない」と恐れ入って、マックスを怪獣たちの王様にしました。

マックスは、「では 皆のもの!怪獣踊りを始めよう!」と大声を張り上げます。
ある晩は、月に向かって両手両足をバタバタさせて踊りました。
ある昼は、木にぶら下がって踊りました。
またある日は、怪獣たちの背中に乗って行進しました。

「もうたくさんだ。やめぇ!」
マックスは叫んで、怪獣たちを夕ご飯抜きで眠らせました。
するとどうでしょう、マックスは急に寂しくなって、優しい誰かさんのところへ帰りたくなってしまいました。
そのとき、遠い世界の向こうから、おいしい匂いが流れてきたので、マックスは怪獣たちの王様を辞めることにしました。
すると怪獣たちは泣きながら、「お願い 行かないで。お前を食べちゃいたいほど好きなんだ。食べてやるから行かないで」と言うのです。
怪獣たちはすごい声でうぉーっと吠えて、すごい歯をガチガチ鳴らして、すごい目玉をギョロギョロさせて、すごい爪をむき出しました。
しかしマックスはさっさと船に乗り込んで、サヨナラと手を振りました。

何日も何週間も日が経って、1年と1日航海すると、いつの間にかマックスは自分の寝室にいました。
そこにはちゃんと夕ご飯が置いてあって、まだホカホカと温かかったのです。

かいじゅうたちのいるところ2

『かいじゅうたちのいるところ』感想


顔デカい、目がギョロ目、白目が黄色・・・怖い条件をクリアした怪獣たち、その中に妙に人間っぽい鼻をしていたり足をしていたりするものもいて、余計恐ろしさが増しています。怪獣!と言われたマックスが本物の怪獣に会い、それでもなお王様の座につき、命令を下す。あれー怖くないや、と思ったけれど、帰るとなると、大好きと言いながらも食べてやる!なんて言い出し、やっぱり怖い?!ころころ変わるスリルに子供は緊張した様子で見入っていました。そして何度も1人でページをめくっています。怖いもの見たさ、なのかしら?
怪獣さながらの威勢のよさも、遊んでるときの集中力も、息子とマックスが重なるところがありますが、本物の怪獣と出会っても、息子がマックスのような精神状態でいられるとは思いません。マックスがもし、怖いよーうと泣いて家に帰りたがる内容だったらどうだったかな?怪獣を目の前にしてもひるむことなく、お腹が空けばさっさと帰る、そのひょうひょうとしたところが面白い絵本だと思います。

かいじゅうたちのいるところ3

母に盾突いて離れたはずなのに


大暴れしてお母さんを怒らせたマックスは、寝室に閉じ込められたかと思うととんでもなく別世界へ行ってしまいます。
そこは怪獣たちのすみか。うぉー、ガチガチ、ギョロギョロ・・・と、すごい歓迎を受けます。
「静かにしろ!」と怒鳴りつけ、そこで王様になったマックスは夜も昼もドタバタと踊ったりして過ごし、「もうやめぇ!」といきなり言ったかと思うと、怪獣たちを夕ご飯抜きにして眠らせます。
「静かにしろ!」も「もうやめぇ!」も、お母さんがマックスに言いそうな言葉ですね。夕ご飯抜きにするところもお母さんと同じ?
そして「お前を食べてやる」という怪獣たちは、マックスがお母さんに口答えしたときと同じ言葉です。
お母さんとは言っていませんが、「優しい誰かさん」を思い出し「おいしい匂い」を嗅いだら、怪獣たちのいるところをマックスはあっさりと後にするのです。そして長い長い時間をかけて戻ってきたマックスには、夕ご飯抜きになっていたにもかかわらず、ご飯が用意されていました。
子供の荒々しい遊びぶりと不意におとずれる夢のような出来事が生き生きと描かれています。そんな中にも家庭の温もりがホッと安心させてくれます。お母さんの姿は登場しませんが、夕食抜きにするつもりなどなかったんだと、子供に対しての愛情もしっかりと感じられました。やんちゃ盛りの子を持つお母さんなら、きっとこの気持ちがわかると思います。

ページ数:39ページ
読み聞かせ時間:5分

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絵本@はるさく
Posted by絵本@はるさく

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