ワールドライブラリー6歳対象〖絵本〗うちには、ライオンがいるんです! J 'ai un lion à la maison !
2021年06月28日 公開

うちには、ライオンがいるんです! J 'ai un lion à la maison !
作:クロード・プロテ
絵:アンヌ・ウィルスドルフ
訳:堀内ゆかり
出版社:WORLD LIBRARY

『うちには、ライオンがいるんです!』あらすじ
始まりは突然だった。
ジュリアンが郵便物を取ってリビングに戻ってきたら、ライオンがいた。
「やあ、いい知らせはあったかい?」
ジュリアンはびっくりした。
ライオンはお気に入りの椅子に座って、腹ペコだと食事を待っていたのだから。
ライオンは変な目つきでジュリアンをじろじろ見ている。
ジュリアンは慌てて肉屋へ走った。
買ったものは粗びき肉に大きな羊のもも肉とハムを2キロ、たっぷりつながったソーセージも。
ジュリアンが急いで家に帰ると、玄関先でそれらを全部食べつくされた。
お腹が落ち着いたライオンはジュリアンの手をしっかり握ってこう言った。
「ジュリアン、君は本当の友達だ。僕のことはスルタンと呼んでくれ。」
すっかり仲良くなったジュリアンとスルタン。
スルタンにはゲストルームを与え、スリッパとガウンを貸し、ジュリアンが会社へ行ってる間はスルタンが留守番をするようになった。
家政婦さんはスルタンを変わった友達だと驚いた。
スルタンは家事を何でも完璧にやってしまうから家政婦さんの仕事がなくなってしまった。
だから家政婦さんはスルタンの手相を見てやるとスルタンは大喜び。
すっかりここの生活が気に入ってしまったんだ。
ところがひとつだけ、スルタンは真っ赤な夕陽を見るとはるか遠くのサバンナを思い出して、ガオ-ッと叫ばずにはいられない。
変な声がすると隣人に心配されて、ジュリアンは医者にかかるよう言われてしまった。
ある日のこと、ジュリアンの留守中に泥棒がやってきた。
ところが泥棒はライオンの叫び声を聞いてすぐさま逃げだし警察署に駆けこんだ。
ジュリアンが家に帰ると警察署長がやってきて、「あなたはまるでライオンのように立派に戦った」とジュリアンを褒めた。
ジュリアンの噂は町中に知れ渡った。
ジュリアンは憧れの目で見られ、少し怖いけど強い、とみんな思っている。
そうしてジュリアンたちの生活はずっと続くはずだった。
しかしある日の夕方仕事から帰ると、家政婦さんが泣いている。
スルタンの置き手紙があったのだ。
「すまないジュリアン。サバンナに帰るよ。これまでありがとう、友よ!絵ハガキを送るよ。」
そしてスルタンは約束を守っている。
今でも文通をしているのだから。
内緒だけどジュリアンには計画がある。
今度のバカンスにはサバンナに行くつもりだ。
始まりはこうさ。
ある朝スルタンはお気に入りの椅子にジュリアンが座っているのを見つけるだろう。
そしてスルタンにこう言うんだ、
「やあ、いい知らせはあったかい?」ってね。

『うちには、ライオンがいるんです!』感想
表紙を見たときの第一印象、こういうお話なんだろうな~という想像と読み終わったときの感想が見事に違ったお話。
うちにライオンがいるなんて、あの「ライオンという猛獣」がいるなんてどんな生活なんだろう。読む前からハラハラドキドキさせてくれます。
ライオンの存在は家政婦さん以外知ることはありませんでした。とっても律儀なライオンですね。
そしてライオンの表情がとっても豊かで可愛らしいんです。こんなライオンならうちにも一頭欲しい!食費はとんでもないことになりそうですが。
きっとジュリアンにとってライオンは自慢の友達で、ちょっと変な友達で、優しくなれて強くなれる、心の支えとなっていたのでしょう。
お友達って何て素敵なんでしょう!遠く離れていても、会おうと思えばまた会えるのだから。

『友達とは、心でつながっているのさ!』
『おちゃのじかんにきたとら』を思い出しました。
普通ではありえない事態が起きたとき、それでも受け入れて楽しく過ごす家族。
そしてその生活が当たり前となった矢先にフッといつもの日常に戻るとき…。
寂しさ、懐かしさ、それでも心に温かく灯る感情、たくさんの感情がわき起こりました。
ライオンと一緒にすごしたスペシャルな日常。夢のような日々だったけれど、それでも確かな友情を手に入れたのです。
今度は自分がお返しをする番だと張りきるジュリアンのように、お友達に思いやりを持てるかな?
6歳対象の絵本ということで、お友達と過ごす時間が増える時期の子供たちに、お友達の受け入れ方や友情の育み方を教えてくれる楽しい絵本です。
ページ数:26ページ
読み聞かせ時間:7分
※『うちには、ライオンがいるんです!』は、WORLD LIBRARY<ワールドライブラリー>6歳対象の絵本です。
WORLD LIBRARY<ワールドライブラリー>について、レビューしております。
↓ ↓ ↓
ワールドライブラリーを6ヶ月試した結果とおすすめする理由
ランキングに参加しています。ポチッと押してもらえるとうれしいです。
いつもありがとうございます!

にほんブログ村
☆こちらもおすすめ

おちゃのじかんにきたとら
作・絵:ジュディス・カー
訳:晴海耕平
出版社: 童話館出版
親子でお茶をしようと腰をおろした、ちょうどその時、玄関のベルが鳴りました。
いったい誰かと思ったら、なんと大きなトラだったのです。
トラは、お茶のご馳走になろうとやってきたのでした。
詳しいあらすじと感想